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体験乗船に関するガイドライン
2003/8/21
※内容についてのご意見は head@jsaf.or.jp へお願いします。
平成12年10月から海上運送法の一部を改正する法律で、一般旅客定期航路事業が免許制から許可制、へ改めたと同時に、安全、利用者保護の適用拡大のために、旅客定員12人以下の船舶についても(改正以前は13名以上の場合のみ適用)
1)運行管理規定の届出
2)保険契約締結命令
の保護基準が設定されました。
ヨットの体験乗船は不定期ではないかとの疑問もあると思いますが、海上運送法の20条には準用規定があり人の運送をする、それが特定の範囲の人の輸送をする不定期航路事業についての場合には20条の2項によって、やはり上の保護基準を準用しなさいということになっております。
これが適用ということになりますと、国土交通大臣は安全を阻害している事実があると認める場合には事業計画を変更するよう命令することが出来ますし、損害賠償にための保険契約を締結するよう命ずることも出来ます。
ほとんどのヨットにおいては第2種帆船として登録されていますから通常旅客定員はありません。
船舶検査証書を見ていただけるとお分かりと思いますが、最大搭載人数に旅客、船員、その他の乗船者とあると思います。第2種帆船ではこの旅客が0となっているはずです。それでは船員とはどのように定義されるのでしょうか?
現在の法律、船員法の第1条(船員)には船舶に乗り組む船長および海員ならびに予備船員をいう、と書かれ細かくは定義されていませんが国土交通省海事局 通達には
「船員」とは船員法の適用がある船舶については同法に定める船員をいい、同法の適用がない船舶については、当該船舶内においてこれらに同種の業務に従事する者(この場合において、当該業務の代償として報酬を受けるかどうかを問わない。例えば、釣り船の掉さし、保針、綱とり、又は見張り等に従事する者、はしけ等の家族船員、ヨットのスキッパー、クルーおよびその交代要員等を含む)をいう。実際には、その実態を把握し具体的に判断し適用すべきである。
「その他の乗船者」とは
(1)当該船舶の管理のために乗船する船舶所有者。法人の場合にはその役員
(2)貨物付添え人
(3)警備保安、試験、研究等に係わる業務を遂行するために乗船するもの
(4)関税職人、検疫官その他船員以外で業務従事する者
このように明確に定義されております。インターネットなどでよく解説文を掲載している民間の海の関係団体の解説では、児童や同伴する子供は「その他の乗船者」であるように書かれているものも見られますが間違いですので気をつけてください。
我々加盟団体等がヨットの体験乗船を企画し、乗船者を定め、実行に移そうとするときの具体的注意事項がお分かりになっていただけると思うのです。
連盟が最小限求める事項は以下のように纏められると考えます。
1)体験乗船は、多くの皆様が海と親しみを増し、その中からスポーツとしての優秀なヨットの乗り手が出てくるようにするための教育訓練の一環です。
体験乗船の実施要項などにも、ゲストクルー(船員)として実習目的で体験乗船していただく事を明記し、不特定多数とか、お客を乗船させると言った表現もしくは、募集をしない。
2)安全を第一に考え乗船前に必ず安全用具の置き場所、使い方、船長命令に従うことなど一連の教育を行う。
3)法律の基本精神である利用者保護の精神をくみ取り、保険契約を必ず実行する。
4)少なくとも、中学生以下は同伴者を求め、就学児童以下(乳幼児)は乗船を認めない。平成13年の国土交通省のプレジャーボート利用改善に向けた総合政策に関する懇談会におきましても、海洋性レクリエーション教育の推進、利用機会・体験機会の拡大を具体的施策として掲げており、奨励しているのです。
大いに各地でヨット操船体験を進めていただきたいと思います。体験乗船実施基準、運航基準、事故処理基準を添付いたしますので参考にしていただきたいと思います。
体験乗船実施基準(日本セーリング連盟基準) (PDFファイル)
付則1 運行基準 (PDFファイル)
付則2 事故処理基準 (PDFファイル)