平成1112月18日

 

岩田直幸

(ISAF Alternate Council Member)

ISAF年次総会報告(オーストラリア・シドニー 11/611/12)

  1. ISAF Associate Membership(準会員)の創設
  2. ISAF Media Rights(広報、報道等の媒体権)の改訂
  3. 財政、会費、会計
  4. ISAF広告コード
  5. 2004 オリンピック・レガッタの艇種(キールボート、マッチ/フリート・レース等)
  6. 新艇種評価イベント(ISAF Evaluation Events 2000, France)
  7. Classification of Competitors(競技者のクラス分け)
  8. Team Racing Call Bookの発行
  9. オリンピック・クラス・ボートの独占製造・販売権(の排除)
  10. Youth SailingWomen’s SailingTraining & Developmentetc
  11. Merging Committees(コッミッティの合併)
  12. Racing Rules of Sailing(競技規則の変更等)
  13. 2000オリンピック・レガッタ
  14. Offshore Racing Council (ISAFとの関係)
  15. 今後の会議について
  16. International Calendar of Events
  17. その他

 

カテゴリー1に位置するMNAで年会費を支払えない国に対して準会員制度が設けられるようになった。最大3年間で、会費は年額50ポンド(カテゴリー1は520ポンド)

正会員と異なって、ISAF Websiteが使用できない、意見書が提出できない、Councilメンバーがだせない、会長・副会長・コミッティメンバーを指名することはできない、総会に代表をおくれない、正会員としての年会費をさかのぼって支払わないかぎりオリンピックに参加できないのしばりがある。

 

5月のミッドイヤー・ミーティングで改訂が決定され、メディアライツを管理する規則最終案が提出され承認された(Media Rights Regulationは別途和訳して提出)

則、ブリテン、カレンダー、ニュース、レース結果に限らず全ての情報に対するISAF

の権利を主張するものである。

所有者はISAFであり、またこのメディアライツを他者に許諾する権利を有している。

 

1/1/99 ? 31/12/99

1/1/99 ? 31/8/99

1/1/2000 ? 31/12/2000

INCOME

Normal Income

Olympic Money

IOC/Sydney

TOTAL INCOME

 

720,000

460,000

0

1,180,000

 

572,686

300,000

0

872,666

 

770,000

515,000

135,000

1,420,000

EXPENSES

Committees/Act.

Olympics

Administration

TOTAL EXPENSES

Income less Expenditure

 

510,000

60,000

610,000

1,180,000

 

0

 

339,581

23,704

343,656

706,941

 

165,746

 

587,000

218,000

615,000

1,420,000

 

0

Category 6 1999 £10,700.00 2000 £11,235.00

5 8,560.00 8,988.00(JASF)

4 4,280.00 4,494.00

3 2,140.00 2,247.00

2 940.00 987.00

1 495.00 520.00

ISAF Class Subscription 1999 £200.00 2000 £210.00

 

新しい広告コードは、今年5月のミッドイヤー・ミーティング後に配布された提案書に検討・修正が加えられ、2000年1月から適用されることになった(最終版は近日中に配布される。詳細はルール関連として、ルール委員会から和訳を加えて別途報告されることになる。)。新たな内容として、以下の事柄が加わっている。

任を持つことでよく、外国からのセーラーに他のMNAが支払いを課すことはない。

また、ボートが広告によって、主催クラブから余分な参加料を課されることもない。

まで、カテゴリーBの広告を続けて使用してもよい。

 

■ 2004年オリンピック・レガッタの艇種

選手数400人、11種目、30%以上は女子の参加についてはIOCとの決定事項である。

また、3種目をキールボートとし、内1種目は女子とすることは5月のミッドイヤー

の決定事項である。

イベント・コミッティからすっきりした提言は出てこなかったが、会長からIOCの考

え方『異なった形態、種類を重視』のコメントが加えられ、キールボートは挙手によ

って次のとおりに決定された。

  1. 女子キールボートはマッチレース
  2. キールボートのオープンをフリート&マッチレース
  3. フリートレースのキールボートは男子(決は取られないままに決定された。)

なお、11種目の残り8種目についてはフリートレースとなった。艇種については2000

11月に決定されることになっている。

[女子のマッチレースについては、艇を開催地で用意される可能性が高く、セーリ

ング開発途上国でも経費をかけないで参加することができるが主たる理由になっ

たが、マッチレースを男子にできるだけもっていきたくないという作用も働いて

いた。マッチレースはオリンピックに馴染まない、アメリカヅ・カップにまかせ

ておけ、あるいは本当のセーリング・チャンピオンは決められないなど評判は余

り高くない。]

 

将来的なオリンピック使用艇を検討するため、予定通り2000年3月にフランスのキブロンで新しいマルチハルと高速シングルハンダーの評価イベントを実施する。既に多くのエントリーが受け付けられている。もし、適当な艇がみつかれば、2004年オリンピックへの導入もありうる。

なお、2004年の女子キールボートについても、この機会を利用して艇種の評価を行っていく。この評価イベントには、ISAF関係コミッティの代表とともに、MNAからの参加も可能とされる方向にある。

 

競技者を、全く楽しみでヨット・レースに参加するGroup 1、セーリングに色々な形で関わりそれから収入得ているあるいはプロの競技者であるとするGroup 3、Group 1及びGroup 3にも属さないGroup 2の3つに統一的なルールでグループ分けし、データー・ベース化によってMNAやレース主催者に情報提供、レース運営上の便宜をはかろうとするものである。現行では、競技者に義務づけられるものではない。

ISAFへのこの競技者のクラス分け登録は、競技者自身が直接コンピューターを使って行うことになっており、またその変更も競技者自身にパスワードが与えられ自分で行うことになっている。登録費用は無料で、競技者の属するMNAには登録されたデーターが自動的に送られてくるシステムになっている。

これは昨年11月の会議では延期するとされていたものであるが、その後ワーキングパーティによる見直しがはかられ、今総会にレイト・サブミッションとして提案され、2000年1月1日から試験的に実施されることになった(詳細は、最終版を入手次第、ルール委員会と協議の上、翻訳して提出)。

[主として、当面はオフショア・ボート・イベントへの利用が考慮されていたが、

オリンピックの他競技においてもこの競技者のクラス分け登録が進んでいると

のこと。また、ヨットにおける競技者クラス分けでは、既にアメリカズ・カッ

プの他、スワン44やファー40、マム30等の外洋ワンデザイン・クラスにおい

て実施されているそうで、今回の提案はセーリング競技として統一的なものを

確立するといことに目的がある。]

 

1999 ISAF Team Racing World Championship(第一回)がアイルランドで開催された。その時に試験的に使用されたドラフト・コールブックついては、大会期間中にISAFアンパイアーと選手とによる日々の話し合いの中で、チーム・レースにおける多くのシナリオについて協議が重ねられ、レース海面においてペナルティを避けるために必要とされる行動、してはいけない行動などもさらにあきらかになってきた。将来的イベント性も考慮し、チーム・レースを健全に発展させるプロセスとして、マッチ・レースのコールブックとは別途にISAF Team Race Call Bookを発行する。

なお、MNAが希望すれば、ISAF事務局から先のドラフト・コールブックは入手可能。

 

レーザー・クラスがやり玉にあがった感も強いが、新たな49erクラスのオリンピックへの導入にともない、艇及びセールの独占製造・販売に関する強い嫌悪感が欧州勢から打ち出された。基本的には、価格の上昇を容易に許してしまっているとの理由。

オリンピック・クラスについては、造艇ライセンスのオープン化とセール供給のオープン化が条件となることが決定され、そのルール化が早急に進められることになった。

オリンピック・クラスは何処ででも買える、また自由に供給できるが基本となる。

  1. ユース・セーリング・コミッティ(委員 広瀬氏)

が、ビルダーが資金不足を理由にフリー・サプライをしぶるため、開催国は資金集

めに苦労を強いられている。艇種の選定問題についても、本質的には、どこまであ

るいは何年間フリー・サプライが得られるかによるところが大きい。

きるようでれば開催国と協議する。

・大会予定 20001228日〜1月6日 オーストラリア、シドニー

200172 〜7月12 フランス

2002718日〜728 カナダ

2003 ポルトガル 2004 ポーランド

  1. ウーメンズ・セーリング・コミッティ(委員 戸張氏)

2004年オリンピック競技種目は前記のとおりである。

ーリング・コミッティを存続させることになっている。

員を中心にウーメンズ・フォーラムが開催されることになった。各コミッティへの

女性の影響力も高めていきたいとする目的もある。

年はアメリカで開催予定。なお、2001年開催予定のISAF女子キールボート世界選

手権は、2004年オリンピック女子キールボートの艇種が決定してからの検討となる。

  1. センターボード・ボート・コミッティ(委員 大谷氏)

[レーザーのクラスルール変更申請があったが、オリンピックへの影響を考慮し、

新ルールの適用開始時期を別途推奨。]

・その他、2000年オリンピックのセール上の国旗表示等に関する検討、アドバイス

  1. トレーニング エンド ディヴェロップメント・コミッティ(委員 青山氏)

容充実と各国との連携、実施促進が目的にある。

ラクターの養成をはかるとともに、世界中のセーリング教育機関のセンター機能を

目指していく。

  1. ディスエイブルド・セーリング・コミッティとメディカル・コミッション(委員 清水氏) ・マリワナについては1999131日からIOCがオリンピックでの使用を禁止した。ただし、その他の大会についてはそれぞれのIFの決定に委ねるとされている。ISAFのコンシルにおいては結論がまだでていない。

ール委員長、コンスティチューション委員長で構成される。

の新しいAnti-Doping Code200011日より適用されるようになっているめ、

ISAFとして検討が必要なポイントを早急につめていく。

リンピック・クラスにしたいの提案がコンシルにだされたが、パラリンピックで検

討をして欲しいでおわっている。

  1. IJ & IU サブコミッティ(委員 柴沼氏、鈴木氏)

審議・認定作業、セミナー並びにテストに関する検討。

[また、福岡県の尾崎氏がインターナショル・レースオフィサーに認定された。]

 

ISAFのコミッティも数多くなり役割、目的を見直しする必要がある。ユースとトレーニング&ディヴェロップメントの合併の話も具体的に出てきており、来年11月の委員の改選時期までにコミッティの統合が検討されていくことになった。

また、サブコミッティの本来のあり方をもう一度検討する必要がある。サブコミッティは、一定の課題に対して事前協議・作業を行ない、コミッティに報告する役割を担うものである。ISAFイベント時の会合やEmailの利用を進めることで、年次総会時にコミッティと同様な形での会議をもつことは極力さけていきたい(費用、時間的制約)

 

レーシング・ルール・コミッティによって、MNAからのサブミッションに対する審議など膨大な作業がこなされているが、その一部として以下の変更が200111日から適用されることになった。 (後日、ルール委員会から和訳して広報されることになる。)

  1. RRS の規則16(コースの変更)16.2が加えられることになった(ハンティング・ルールと呼ばれているトリッキーで危険な行為を避けるため。)。これにともない付則C2.2を「規則16.2及び17.2は削除する。」に変更、また付則D1.1(a)は削除されることになった。
  2. 定義の「マーク」が変更された。これに関連し、付則MNに必要な修正が加わる。
  3. 規則18(マーク又は障害物の通過)について、わかりやすくすることを目的に全体的に見直しがはかられた。

 

シドニー湾で環境にやさしく、既存施設を利用しての準備状況、並びにプレ・オリンピックの報告があった。ISAFから高い評価を得ている。

オリンピックでは各国を識別文字とともに国旗がスピンネーカーを含めてセールに表示されることになった(高いプリント技術の導入)。また、GPSによるレース・レポート器材の開発が進められており、何とか実施にもっていきたいとのこと。

なお、オリンピックのインターナショナル・ジュリー・メンバーに大谷たかを氏が日本から専任された(他にアジアからはインドのアジャ氏が選任された。)

 

  1. ISAFのコミッティのひとつとなり、Offshore Racing Committee(ORC)になった。
  2. ORCは現行を踏まえ7つのサブ・コミッティを備える。

  1. MNAは、これまでのORCと同様な方法で、ISAF規則にそってOffshore Racing
  2. Committee並びに各Subcommitteeに委員を選出する(基本的には現行の委員を考慮)

  3. Chairman’s Groupについては、Executiveによって選出・推薦が見直される。
  4. International Technical Committeeは直接的にORCによって引き続き指名される。
  5. Offshore Racing CommitteeISAFコンシルへの報告は、全てのISAFコミッティと同様とするが、テクニカルな問題については、ORCからの提案に対して、コンシルの2/3以上の多数がないとくつがえすことはできない。
  6. ORCは年度収支をExecutiveに発表する。
  7. ISAFORC事務局雇員を現行同様期間・条件で受入れ、テクニカル・コンサルタントとして使用する(チーフ・メジャーラー、プログラミング&クラブ)

[なお、ORCの機能等は、別添ISAF/ORC POSITION PAPER - 12/11/99を参照。]

 

2000年ミッドイヤー・ミーティング サイプレス

2000年ノーベンバー・アニュアル・ミーティング エジンバラ

2001年ミッドイヤー・ミーティング コペンハーゲン

2001年ノーベンバー・アニュアル・ミーティング イスラエル

 

各レガッタの開催頻度について検討を加えていく(資金的、スポンサー確保の問題等)

 

最終コンシルの後、Extraordinary General Assembly15分間程開催され、コンシル決議に対する手続きがとられた。 以上