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2009年ユースナショナル(2回)候補選手強化合宿兼
2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会

箱守 康之氏のレポートです

全体の成績(暫定)

Index 2009年ユースナショナル(2回)候補選手強化合宿兼
2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会 のお知らせ

「次世代セーラーの世界レベルの育成強化をめざす」
3月20日から全国のレーザーラジアル級と420級の有力選手(17歳〜15歳)を集めた第2回のJSAF技術力向上委員会主催の強化合宿が和歌山セーリングセンター(NTC)にて始まりました。集合した選手たちは420級男子12名女子12名、ラジアル男子18名女子7名、それに今回委員会が招聘した強豪国ニュージーランドからのユースナショナルチーム(ナショナルコーチ帯同)男子2名、女子1名の計52名。

それら選手の指導をおこなうオリンピック特別委員会召集のコーチ・役員約20名。皆が「強いユースを育てよう、強化しよう」と集まりました。

この合宿は22日から行われるISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会につながる重要な合宿に位置付けられています。


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2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会 第1日目

3月20日(金)
朝からの雨模様は落ち着いたものの、ハーバー内は春先特有の強い北風が吹き募りました。午前の受付に続いて420級のセール計測、続いて11時30分からハーバー2階にて全体ミーティングがおこなわれました。

箱守康之競技力向上委員会委員長の合宿趣旨説明、役員スタッフ紹介、招聘のNZチーム紹介のあと海上練習運営コーチからのコース説明・練習メニュー紹介などが続き、ただちに出艇準備。依然としておさまらない北風(10m前後)のなかを先ずはラジアル軍団25選手がレース海面に向かいました。

和歌浦湾の海面は風が増して、波も出始めるハードなコンディション(420級はハーバー待機)となりましたがラジアル級は予定通りのスタート練習とレースが進められました。練習レースではNZチームが予想どおりの実力を見せつけ、第1レースでは女子のレイチェル選手(高校2年)が強風をものともせず男子顔負けのテクニックで1位フィニッシュ、2位3位もNZ勢が独占しました。続く第2レースも1位はNZのジョッシュ選手がトップ、2位には日本の南里選手が割って入りました。NZ勢は強風の中ウエブナショナルコーチの指示で「出切る限りセールをフラットにして」終始安定した走りを見せました。その後、海面は風が増し、沈艇も続出のため練習は中止となりました。それにしてもNZ勢の強風域での力は恐るべし、これが世界レベルか。を痛感した合同練習初日でした。

19時30分、宿舎にて全選手出席のミーティング。翌日行われる練習内容の説明、そして各種目別に分かれての技術ミーティングが熱心におこなわれました。

ラジアルチームでは翌日開催の陸上体力測定の詳細がコーチから説明、その後練習レース収録の映像をもとにした技術指導がおこなわれました。NZチームと日本選手たちの活発な質疑がおこなわれ、ヨット先進国のトップチームから生の情報を得ようと真剣なまなざしでメモをとる選手の姿が印象的でした。

Photo:松本 和久
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12m/secオーバーの強風域でショートコース練習の中でのスタートシーン
Photo:松本 和久
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強風の中、安定したセーリングパフォーマンを見せる招聘したNZLセイラー
Photo:松本 和久
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日本のユース選手の中で今年2月にセイル・オークランド(ニュージーランド)海外遠征で、レース経験を積み急成長した横田選手


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2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会 第2日目

3月21日(土)は、レーザーラジアル級が午前中に体力測定、420級が海上練習を実施。

昼食は、ユース強化に協賛するスリーボンド社のレストランカー2台によるケータリングでの昼食がサポートされました。
また今回のサポートでは、420級新艇、セイルを購入し、艇を持っていないチームへのチャーター艇貸与と、今後のユース強化・育成への多大なバックアップを受けています。

 この日は、JOC(日本オリンピック委員会)スタッフもユース育成事業の視察に訪れ、サポート体制に驚いていた様であった。

午後からは、レーザーラジアル級、420級に分かれて、22日から始まる選考レースの最終調整としてコース練習を3レース実施しました。

またJSAF指導者講習会も始まり、ユース合宿の海上練習を見学、夕食後のミーティングにも参加する。

Photo:箱守 康之
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今回の合宿&選考会に参加するニュージーランド選手とコーチ
※左前からコーチのClifton 選手のWebb、George Lane、後方左からJosh Porebski、Rachel Basevi、そして筆者
Photo:箱守 康之
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 スリーボンド社のケータリングサービスでは、ご飯にトッピングされたハンバーグ、温泉卵、野菜等とバランス良い昼食に、スープ、飲み物がサービスされた。
Photo:箱守 康之
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レストランカーでは、スリーボンド社がサポートした北京五輪470級代表松永/上野組のビデオや北京五輪でのセーリングシーンをテレビモニターで紹介し、雰囲気を盛り上げる演出も非常に良かった印象であった。


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2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会 第3日目

3月22日(日)は、「2009年ISAFユースワールド国内選考会」の初日であったが、朝から前線の影響で平均15m/sec、最大20m/secの南風が強く吹き、陸上待機となった。

 この待機時間を利用し、420級、レーザーラジアル級に分かれてのミーティングが行なわれたが風が落ちる気配がなく、14:30に本日のレースを行なわない最終指示が掲揚される。

 これによって、23−24日の2日間での選考となることで、レース委員会より5レースでの成立を3レースで大会成立するS.Iの変更が掲示される。

 23日は、北西風の6〜8m/secが予想されている。

Photo:箱守 康之
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強風で陸上待機の時間を利用し、艇庫内でニュージーランドコーチよりシングルハンダー選手に対するテクニカルな指導が行なわれた。
Photo:箱守 康之
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今回は、5名のジュリーが選考会のプロテスト員会を結成。
レースが強風のため延期され、協賛企業であるスリーボンド社レストランカーでくつろぐジュリーメンバー達。


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2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会 第4日目

今日は、昨日の南風の吹き返しで、北風が8m〜12m/secのユース選考に相応しいコンディションの中、4レースが実施されました。

レーザーラジアルでは、強風の中で海外招聘選手のニュージーランド選手が圧倒的なスピードとテクニックで上位を独占する中、今年の2月に海外遠征(セイル・オークランド)した選手が何とかくらい付く展開となりました。
420級では、昨年からの強化合宿の成果が少しずつ選手たちのレベルアップが向上したことがわかる通り、強風域の中でも沈をしながらもレースを続け接戦が続いています。

強風での4レースは、非常にハードであったが、この様な経験から強風にも強く逞しい選手が育っていくことを期待したい。

夕食後には、全体、そしてクラス毎のミーティングが行なわれ、レースでの反省や課題がコーチよりアドバイスされた。
レース成績は、暫定です。

Photo:松本 和久
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強風の中、上位をいつも争うキウィーセイラー。
セイルナンバー185811は、本年のISAFユースワールド(ブラジルで開催)のNZL代表選手に決定しているレイチェル選手(女子)。
Photo:松本 和久
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日本選手の中で、恵まれた体格を生かし海外遠征も経験し、レベルアップし上位のニュージーランド選手の中に食い込む走りを見せるセイルアンバー184012の南里選手(玄海セーリングクラブ)
Photo:松本 和久
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420級では、艇の特性を生かしたプレーニングでのクロースホールドをいかに走らせることが出来るかが大きな要因ですが、上アークでの接戦が多く見られた。
Photo:松本 和久
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チャーター艇は、全て新艇であるが多く乗りこなすことで、420級の特性をもっと生かせたエキサイティングなセーリングが見られることでしょう。


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2009年ISAFユースワールド選手権大会日本代表選考会 第5日目(最終日)

今日は、昨日と比べ風速が落ち、安定しない状態が続くも北風が3〜7m/secの風の振れは大きいものの吹き始め420級が2レース、レーザーラジアル級は最終日のレースタイムリミットで1レースのみが実施されました。

レーザーラジアル級男子では、
南里 研二 佐賀県・玄海セーリングクラブ 4−3−5−1−(8)が強風域での選考会でコンスタントに上位をキープし、代表に推薦されました。

レーザーラジアル級女子では、
多田 桃子 佐賀県・玄海セーリングクラブ 6−8−(9)−8−5と男子との混合でも上位をキープし代表に推薦されました。
上記2チームは、2月に開催された「セイル・オークランド」の国内代表選手として参加し、レースの組み立てや強風域でのセーリングにより自信を持った結果と思います。

420級男子では、
稲葉/峯組 佐賀県・玄海セーリングクラブ  2−3−2−1−(4)−1とコンスタントにレースを行ない代表に推薦されました。
峯選手は、昨年の大会に続き2回目の出場となります。

420級女子では、
山口/牟田組 佐賀県・玄海セーリングクラブ 4−(9)−4−3−9−9と男子との混合成績であることで最後まで接戦となりました。

 今回の2009年ISAFユースワールド代表選手は、全て唐津で活動するユースセイラーに決定しましたが、他水域の選手の次年度以降の奮起を期待し、今後もユース選手の指導に努めたく、皆様方のご協力とご理解をお願い致します。

成績は、和歌山セーリングセンター(http://www.wakayama-sailing.org/)ホームページを参照ください。

Photo:松本 和久
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420 級男子代表
Photo:松本 和久
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420 級女子代表
Photo:松本 和久
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レーザーラジアル男子代表
Photo:松本 和久
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レーザーラジアル女子代表


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